ワイシャツの襟、袖口の汚れには? 固形せっけんで予洗いを

体操服のどろ汚れ、カッターシャツのエリ汚れ。みなさんどうしていますか?

最近では エリ汚れのつきにくいカッターシャツが発売されていたり、皆さん悩みの種?のご様子。

洗濯機だけでは落ちない頑固なリング汚れの対策法を調べてみました。固形せっけんを襟回りに塗り、歯ブラシでこすると汚れはきれいに落ちた

 蛍光増白剤入り

 ママ友に対策を聞くと、「固形せっけんで予洗い」という人が5人中3人。3人が使っているのは、蛍光増白剤入りの固形石けん「ウタマロ石けん」。その一人、東京都江戸川区の主婦(42)は2年前から愛用。小学生の息子が野球のクラブチームに入団したのがきっかけだ。泥汚れに強いと購入したところ、真っ白になったことから夫のワイシャツの襟回りの汚れなどにも使うようになった。

 「襟回りの汚れにはずっと悩んでいた。専用の液体洗剤を付けて手洗いしてから洗濯機に入れるよりきれいになる」と満足そう。

 蛍光増白剤は、紫外線を吸収して青い光に変える染料。白い生地をより白く見せる作用がある。製造する「東邦」(大阪市生野区)によると、ウタマロは57年前に洗濯用として販売を開始。しかし、粉や液体せっけんの普及で売り上げが減少した。しかし、部分洗い用として20年ほど前から人気が出始め、売り上げがV字回復。昨年度は700万個を販売し、20年前の5倍に伸びたという。担当の鎌田沙耶佳さんは「一時は製造中止の危機にあったが口コミで広まり、全国に普及した。柔らかくて水にしっかりなじむため、頑固な汚れが落ちやすい」と話す。

■ ブラシで泡立て

 昔ながらの「釜炊き工法」で無添加の純せっけん「アイゲン」を販売する「桶谷石鹸」(大阪市城東区)の桶谷正広社長(65)によると、上手な固形せっけんの使い方は、予洗いのときにブラシやスポンジなどを使って完全に汚れを落としてしまう。「液体よりは粉、粉よりは固形が強力に汚れを落とす」(桶谷社長)

 記者は、自宅にあったケイ酸塩(アルカリ助剤=洗濯物の汚れで酸性に傾くのを阻止)配合の固形せっけん「ミヨシマルセルせっけん」で予洗いしてみた。襟回りと袖口を湯に浸し、せっけんを布地に塗り込んだ後、古い歯ブラシでこすりながら泡立てた。すると、黒ずみが気持ちがよいほど取れていく。その後、いつも通りに洗濯機で洗い、乾かすと黒いリングはなくなっていた。

 製造販売元の「ミヨシ石鹸」(東京都墨田区)によると、ケイ酸塩は洗浄力を強化するために配合。純せっけんでは落ちきれない強固な油汚れや泥汚れなどを落とす。ただ、「純せっけんと比べると手が荒れやすくなる。頻繁に使う場合はゴム手袋などを使った方がいい。ブラシなどで強くこすり過ぎると、生地が傷む」(担当者)という。

このほか、汚れが強いときにはせっけん液を作り、数時間漬け置きした後、予洗いすると汚れが落ちやすい。絹や毛などが入り、洗濯表示で「中性」と表示された衣類はせっけん洗いは向かない。風合いを損ねてしまうからという。

 ■汚れが落ちやすいワイシャツも登場

 襟回りと袖口に特殊な加工を施し、汚れを落としやすくしたワイシャツも登場した。日本ランズエンド(横浜市港北区)は3月、男性向けワイシャツ「立体X(エックス)シャツ リングフリー」を発売。生地だけでなく、襟と袖の芯地に特殊な加工を施し、芯まで染みこんだ汚れも落ちやすくした。

 同社によると、同シリーズの男性向けワイシャツの売り上げは前年同月比で1.4倍。同社広報担当者は「インターネットでアンケートを取ったところ、ビジネスシャツの愛用者のほぼ全員が襟回りの汚れに悩んでいた。ワイシャツ全体の売り上げを押し上げるほど、リングフリーの売れ行きは好調」と話している。

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