主婦にも人気 「格安スマホ」 ガラケーから気楽にチェンジ

  

ここのニュースでもたびたび取り上げましたが ますます『格安スマホ』が支持されているようです。

携帯電話会社から回線を借りることで通信料金を安くしたスマートフォン「格安スマホ」。

昨年から大手スーパーや家電量販店などが取り扱いを始め、使い方次第ではNTTドコモなど携帯電話会社より月々の支払いが安くなるとますます人気に。

 

 多業種から参入

スーパー大手のイオン(千葉市美浜区)は昨年4月、スマートフォン「イオンスマホ」を8千台限定で発売した。価格は税抜きで端末機器代込み月額2980円。約1カ月で完売した。昨年12月には4機種目を導入。安さが魅力で、従来型の携帯電話(ガラパゴス携帯=ガラケー)から切り替えるシニアや主婦が増えている。

ecc1503151709002-p1 販売を手掛けたイオンリテールのデジタル事業開発部商品部、河野充宏部長は「初めてスマホを使う人が多い。ガラケーと比べ高額になる通信料金に二の足を踏んでいた層に受け入れられた。携帯電話会社のような2年契約の縛りを設けず、いつでも解約できるので、気軽に切り替える人が増えた」と分析する。

総務省などの資料によると、携帯電話会社のスマートフォンの場合は端末を除き月額6千~7千円かかることが多い。一方、格安スマホを使う場合に契約する通信事業者(MVNO)は機能や使用容量などの制限はあるが、月額千~3千円程度から利用可能なサービスが多い。多業種から参入が相次ぎ、サービスの内容も多彩だ。

 楽天子会社の通信会社、フュージョン・コミュニケーションズ(東京都千代田区)は、昨年10月から月額1250円(端末代別)からの格安スマホ「楽天モバイル」を始めた。家電量販店のビックカメラ(豊島区)は、スマホの使用に必要な端末の識別情報が記録されたSIM(シム)カードを単体で販売し、月額1600円(端末代別)からのスマホプランを提供。対応する端末を別に購入するので、7千円程度の低価格の製品も選べる。

 本体価格も安い

 格安スマホが安い理由の一つは、インターネットを閲覧したり写真を送信したりする際に発生するデータ通信料が、携帯電話会社より安いMVNOと契約するためだ。例えば、NTTドコモの最も安いプランは月額3800円。これに対し、MVNOのビッグローブ(品川区)のイオンスマホは同月額1350円。快適にデータをやりとりできる高速通信容量の上限は1ギガバイトで、ドコモの2ギガバイトの半分だが、5ギガバイトに増やすプランもある。

 通話料金の設定の違いも大きい。携帯電話会社が1カ月定額の料金プランを設定しているのに対し、MVNOの場合は通話時間に応じ電話代が加算される仕組みが多く、「自分から電話をかけない」「通話は無料通話アプリで」という人は月々の支払いが安くなる。

さらに、格安スマホは価格の安い端末を選べる。「無料通信アプリ『LINE(ライン)』がしたい、インターネットに短時間接続したいというライトユーザー」(イオン)に合わせ不要な機能を取り除くことで低価格を実現したり、海外で広く流通している安価な端末を導入したりしている。

 同省の調査によると、MVNOの契約件数(平成26年9月現在)は携帯電話、PHSなど移動系通信契約全体(約1億6335万件)の12%の1986万件にとどまるものの、前年同月から1・6倍に増加。IT業界関係者によると、MVNOの契約のうち格安スマホは1割程度だが、今後も市場が拡大するとみられている。

 IT産業に詳しいMM総研(港区)の担当者は「同じサービスなら低価格帯に流れるのは当然で、昨年から量販店などでサポート体制が整ってきたことで購入者が増えた。初めてスマホを使う層と、目的別に2台持ちする人により、契約数が増えているようだ」と話している。

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