世界禁煙デー

今回は5月31日の「世界禁煙デー」に因んで「禁煙」について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

【たばこを吸っている人はどのくらいいるの?】
男性の喫煙率は、減少傾向が続き、2019年では27.1%となっています。 女性の喫煙率は、10%前後を推移しながら横ばいからやや減少傾向になり、2019年では7.6%です。

【たばこは身体にどんな害を及ぼすの?】
●ニコチンの害
喫煙習慣の本質は「ニコチン依存症」という脳の病気です。たばこを吸うと頭がスッキリするのは、たばこを吸えない状態が続いたために起こる脳の覚醒レベルの低下(禁断症状の一つ)が、ニコチンの補給で平常喫煙時のレベルまで戻っただけのことです。

●一次喫煙の害(主流煙:直接吸い込む煙)
たばこの煙には約5300種類の化学物質(その中に約70種類の発がん性物質)が含まれています。のど、肺など煙が直接触れる場所だけでなく、血液を通して全身に運ばれ、がんの原因になります。
がん以外にも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、虚血性心疾患、脳卒中などの原因となるほか、2型糖尿病の発症、歯周病、早産、低出生体重児などにも強い影響を及ぼします。また、認知症、関節リウマチ、脱毛にも関連性があるといわれています。

●二次喫煙の害(副流煙:たばこから立ち上る煙 呼出煙:吐き出される煙)
受動喫煙ともいいます。副流煙には、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が、主流煙の数倍も含まれています。また、乳幼児突然死症候群(SIDS)や喘息にも強い因果関係があるといわれています。喫煙者本人だけでなく、周りの人の健康をも脅かすことになります。
                       
●三次喫煙の害(たばこを消した後の残留化学物質 たばこ臭)
サードハンドスモークともいいます。たばこの煙は、髪の毛や洋服、カーテン、ソファ、壁紙などにも付着します。たばこの残留物は長時間残り、その環境で生活する人はゆっくり時間をかけて発がん性物質を吸い込んだり、皮膚から吸収することになります。また喫煙後も約45分もの間、喫煙者の息から有害物質が吐き出されるといわれています。

「たばこの害」は喫煙者だけの問題ではありません。大切な人を守るため、家庭や職場、社会全体で考えていきたいですね。

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